浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
途中、今の勤務先であるお弁当屋さんへと足を運んでみる。

『穂んのり弁当』という店名のお弁当屋さんは、私が子どものときから街の人たちに親しまれていて、お昼になると列ができるくらい人気のお弁当屋さんだ。

中でも定番メニューである自家製からあげ弁当は、30種類程度ある中でもNo.1メニューであり、お昼だけでもかなりの個数を販売している。

入り口を覗くと、穂んのり弁当の店長の奥さんが、カウンターにお弁当を陳列している最中だった。

中に入ると、お弁当のいい匂いが店内に漂っている。


「あら、水姫ちゃん！　今日はお客さんで？」

「こんにちは。　今、病院の帰りで、お昼ご飯の調達に」

「いいじゃない！　お腹の赤ちゃんのためにも、栄養のあるもの食べてね」

「はい、ありがとうございます」


今日私が選んだお弁当は、天丼。
人気No.2メニューで、えび天やいかの天ぷら、野菜天がこれでもかというくらい乗っていて大満足の一品。

幸い私にはつわりとういうものがなく、食べたい物を好きなだけ食べられるのでありがたい。


「はい！　560円ね！　また明日から、無理のない範囲でお願いね！」

「ありがとうございます」


奥さんからお弁当を受け取り、お店を出ようとしたとき。
「あれ？　水姫？」と背後から女性の声がした。

驚いて振り向くと、高校時代同じクラスで仲良くしていた亜美が立っている。
< 35 / 142 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop