浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
そう言いながらぎゅっと私の手を握ってくれた亜美は、とても心強かった。

ーーー絶対大丈夫。 私が、お腹の赤ちゃんを幸せにする。
一人じゃない。


「亜美、今日は会えて嬉しかった」

「私も! 私、あのお弁当屋さんよく利用するんだ。 ご飯作るのめんどうなときとかね」

「そうなんだ! また来てよ、私、赤ちゃん産まれてからもずっと働く予定だから」


「ダメ。 無理は禁物」と言って、私の頭を軽く叩く亜美。
なんだか急におかしくなって、2人で笑い合った。

たくさんの人に支えられていることを改めて実感して、なんだか心が温かい。

亜美を見送ってから、そっとお腹に手を当ててみた。
まだ胎動も感じらないけれど、確実に私の中で成長している小さな命。


「頼りないお母さんだけど、よろしくね」


優しく、囁くように話かける。
なんとなくお腹の中で〝大丈夫だよ〟って言ってくれているような気がして。

この子を産むと決断して、本当によかった。

この先、今以上に涙を流すこともたくさんあるかもしれない。
だけど絶対に大丈夫。 この子となら、一緒に乗り越えていける。



ーーーそう心に誓った。
それなのに……この先、再会するなんて思ってもみなかった。
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