浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
「いやぁ、実はね。 今回、ちょっと頼みたいことがあってね」

「頼みたいこと、ですか? 私でよければですが」

「実はね、今大牟田病院が医師不足でね。 ぜひ、桜川先生に応援に来てもらいたいんだよ」


大牟田病院が、医師不足?
確かに、ここ近年医師不足に伴う医師の長時間勤務が問題視されているけれど、大牟田病院もそうなっていたとは。

桜川病院は総合病院なだけあって今は医師不足はそこまで危機ではないが、大牟田病院は違ったのか。


「桜川もこちらで忙しいだろうからね。 週に1、2回で構わないよ」

「そうだったんですね。 私でお力になれれば、ですが」

「桜川先生が優秀な人材であることは知っている。 だからこそ、君に直々にお願いしに来たのだよ」


そう言いながら、平佐先生は一口お茶を啜っている。

直々に、か。 きっと、医院長である父親は、この話はもう知っているはずだ。
父親より先に、こう言った話が私に振られることは、ないはずだから。

医療機関も、チームワークだ。
困っている病院があるならば、力になりたいとは思っている。


「わかりました。 そのお話、お受けさせていただきます」

「ありがとう。 本当に助かるよ。 スケジュールに関しては、君の秘書を通して調整しようと思っている」
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