浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
メイク直しをして、「行ってきまーす」と玄関から大声で言うと、私は家を出る。

やっぱり、今日も暑い。
途中で倒れてしまわないよう日傘を差して、水も持参してと熱中症対策はバッチリだけれど、暑さには敵わない。

10分程歩き、穂んのり弁当の店内に入ると、店内は涼しくオアシスのように感じた。


「おはようございます」

「おはよう! いやぁ、最近ずっと暑いね。 水姫ちゃん無理しなくていいからね!」


気を遣ってそう言ってくれる店長の奥さんは、すでにテキパキと仕込みの準備をしている。

毎日朝早くから仕込みに入り、お昼までにはしっかりとお弁当が陳列されていて、奥さんこそ休む間もないのではないかと心配になってしまう。


「大丈夫です。 産休までしっかり頑張るつもりですから!」

「心強いわぁ! ありがとう」


私一人の力がどのくらいになるのかはわからないけれど、こんな風に気を遣ってもらっているのだから、出来る限りのことはしたかった。

子どもが産まれてからは、きっと今以上に時間の融通が利かなくなってしまうだろうから。

「よしっ! 頑張るか」と気合を入れて、手を洗うと、私も仕込みに入る。

早いと10時半頃にはお客様が来店する。
接客をしながらだとバタバタしてしまうが、お昼までには数多くのお弁当が完成し、店内に陳列することができた。
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