浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
実家から祖母の家までは約1時間程度。
平日の朝8時は通勤時間帯で、道路はいつもより交通量が多い。

慣れない運転をなんとかこなして、なんとか祖母の家に到着した。


「おばあちゃん、おはよう」

「水姫ちゃん、わざわざありがとうねぇ。　今日は水姫ちゃんが来てくれるっていうから、楽しみにしてたよ」


にこにことした表情でそう言いながら助手席に座る祖母は、本当に嬉しそう。

よく考えてみれば、仕事が忙しいのを理由に会えていなかったかもしれない。
赤ちゃんも産まれるし……これからはもっと頻繁に来てあげよう。

そんなことを考えながら大牟田病院に到着し祖母を玄関先で降ろすと、私はパーキングに車を駐車させてから院内へと入る。

約3年ぶりの大牟田病院。
退職してからは一度も来ていなくて、どこか懐かしい。

整形外科の受付を済ませると、祖母と一緒に待合の椅子に腰かけた。　
すでにたくさんの患者さんが待っていて、もう少し早く来るべきだったと後悔。

これは少し待ち時間がありそう。


「おばあちゃん、なにか飲まない？　私、売店行ってくるよ」

「ありがたいねぇ……じゃあ、お茶をお願いできる？」

「わかったよ。　ちょっと待っててね」


そう言って席を立つと、私は売店へと向かった。

なんか……こういうのいいな。　
祖母と会うのが久しぶりだからかもしれないけれど、なんだか温かい気持ちになる。
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