浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

急な展開にドキドキしながら、いつものように桜川先生の後ろを歩いて行く。
病棟に向かう途中の渡り廊下で「手術後の予定は？」と、なぜか桜川先生に手術後のスケジュールを確認された。

予想外なことが起きているせいで、スケジュール帳が手元にない。
記憶を辿って、脳内でスケジュール帳を開く。


「手術後……ですか？　確か今日は19時から桜川医院長との会食が入っていたはずです」

「……そうか、わかった」


とだけ言うと、病棟へと向かう桜川先生。
今から元カレのいるナースステーションへ向かっているだなんて、誰も想像がつかないだろう。

イケメンで高学歴で、高身長。
おまけに時期医院長である桜川先生が通る瞬間振り返らない人はいないくらい、彼は病院内でも目立っている。

桜川先生はすごい人なんだということを、周りの反応から改めて実感した。


「さて……、例の彼はどこ？」


病棟に到着し周りをキョロキョロと見渡すと、ナースステーション横にある自動販売機の横で小さくなっている淳史の姿が見えた。
……こんなところで、私を待ち伏せていたのだろうか。