浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

その先の幸せ

4月。 桜川病院のシンボルである大きな桜の木は、満開。
あの、幸せいっぱいの結婚式が終わってから、早2年が過ぎようとしていた。

今日は晴天。 病院近くのカフェレストランで、麗華からの誘いを受けてちょっと遅めのランチをしている。


「本当、いい天気ね」

「うん、絶好のお散歩日和だわ。 ランチが終わったら、公園にでも行こうかな」

「ほんとだね。 愛加ちゃんは、動きたくて仕方ないもんね」


麗華はクスっと笑いながら、私の横で必死になってスパゲッティナポリタンを頬張っている愛加の頭を撫でる。

それに気が付いた愛加は嬉しそうに笑うと、「れいちゃんに、あげゆ」と言ってフォークにぐちゃぐちゃに巻き付けたスパゲッティを手渡した。

「あら、上手に巻けたね! 食べちゃう~」と、愛加が渡したスパゲッティを食べる麗華。
そんな2人を見ていて、ほほえましく思えた。



結婚式が終わって約2ヶ月が経った12月23日の夜。

勤務を終えた望さんとまったり家で過ごしていたとき、突然の腹痛に襲われた私。
望さんに付き添われながら桜川病院の産婦人科を受診し、そのまま分娩台へと上がることになった。

幸いにも破水はしていなく、約8時間もの陣痛と戦い続けた12月24日am3時。
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