浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
望さんが見守ってくれている中、2807gの元気な女の子を出産した。

初めて出産に立ち会ったという望さんは感動でいっぱいで、何度も「ありがとう」と言いながら泣いていた。

母子共に健康で退院し、私は2ヶ月ほど実家で過ごしていた。
その間、両親は愛加にメロメロで、母親である私よりも抱っこをしてくれていて。

帰り際には「またすぐ帰ってきてね」と言いまくる両親をなんとか振り払って、望さんと住むマンションへと帰った。

望さんは忙しい仕事の合間を縫ってはマンションへ戻って来てくれ、家事や育児をサポートしてくれる。
少し落ち着いてから桜川医院長に愛加を見せにお会いしたのだけれど、今まで誰も見たことのないような最高の表情で、愛加の誕生を喜んでくれていた。

そんなたくさんの愛情を受けてすくすくと成長している愛加は1歳3ヶ月を迎え、言葉も少しずつ話すようになってきている。


「可愛いねぇ、愛加は。 水姫に似てる」

「えぇ? 本当に?」

「うんうん、むしろ愛加に似てよかったんじゃないの?」

「……そう言われるとそうかも。 でも、自分ではよくわからないなぁ」


柔らかい髪を撫でながら愛加の顔を見てみたものの、口の周りがトマトソースまみれになっていてよくわからない。

でも、そんな姿も可愛くてしかたがない。
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