浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
そんな私と目が合うと、愛加は嬉しそうに「ママにもあげゆ」と、フォークに巻き付けたスパゲッティを渡してくれる。

最近はなんでも自分でやりたがるようになり、フォークの使い方も見よう見まねで使うようになった。
愛加の中でそれが楽しいのか、スパゲッティを巻き付けるのが好きみたい……。 まだまだだけどね。


「そういえば麗華、報告ってなに?」


愛加から受け取ったスパゲッティを食べながら、麗華に問いただす。

今日は、麗華から『報告したいことがあって』と、連絡をもらっていた。
スパゲッティに気を取られて、危うく本題を忘れるところだった。


「あ、そう、その話なんだけど。 実はね、結婚が決まったの」

「えっ? えぇ!? 結婚!? いつ? 何月?」

「ふふっ、5月だよ。 びっくりした?」

「めっちゃびっくりだよ!! 相手は、例の理学療法士さん?」


恥ずかしそうににコクリと頷く麗華は、本当に幸せそう。

麗華は、私と望さんが結婚してしばらくしてから、桜川病院に勤めている理学療法士さんとの交際がスタートした。
こちらもまたお相手の一目惚れだそうで。

たまに話が出てきている程度だったけれど、麗華のことを本当に大切に想ってくれているようで、安心していた。
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