【電子書籍化】聖女の力を失った私は用無しですか?~呪われた公爵様に嫁ぎましたが、彼は私を溺愛しているそうです~
 職業柄だろうかと考えていると、マスターがコーヒーを持ってきてくれる。

「ブレンドとカフェオレ」
「ありがとう、マスター」

 やはり口数少なく用件のみ伝えるとそのまま今度はスフレチーズケーキを準備しにカウンターの中へと戻っていく。
 下の方にしまってあったスフレチーズケーキのホールを出すと、ワンカットにして皿に盛りつける。
 さらにベリーを乗せ、その横にはクリームを絞ってさらに上からベリーソースをかけている。
 コルネリアはその手つきに思わず息を飲んだ。

「コルネリア、マスターばかり見ないで僕も見てよ」
「え?! あ、ごめんなさい」
「確かにマスターはかっこいいけどさ」

 少し拗ねるようにそっぽを向いたタイミングで、マスターが二人分のスフレチーズケーキを運んでくる。
 スフレチーズケーキはふわふわで少し揺らしただけでもその柔らかさが伝わる。

「おお、これは傑作の予感だね」
「すごいです、ふわふわですね」

 二人はほぼ同時にフォークを入れると、そのまま口に入れる。

「「──っ!!」」

 なめらかさとふわっとした感じが口いっぱいに広がり、とろける食感になっている。
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