【電子書籍化】聖女の力を失った私は用無しですか?~呪われた公爵様に嫁ぎましたが、彼は私を溺愛しているそうです~
 その淡く、花のように華やかな髪は彼を一気に昔に引き戻し、そして幼い頃に祖父に連れられて行った教会の少女のことを思い出させた。

「コルネリア」

 ふと口に出してみた彼女の名は、彼自身の中で強く「会いたい」と思わせるのに十分だった。
 一度しか会ったことのない小さな少女のことが気になり、資料を漁ってその教会と孤児院について調べた。
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