【電子書籍化】聖女の力を失った私は用無しですか?~呪われた公爵様に嫁ぎましたが、彼は私を溺愛しているそうです~
 わざわざそこまでしなくても飲めますよ、とコルネリアは彼女に言おうとしたのだが、彼女が去っていくスピードに追いつけないほどの慌てぶりで部屋を去っていく。
 そしてその後すぐに廊下から、ガッシャンと何か皿が割れたような音がしてコルネリアは思わず顔を上げた。
 ────どうやら本日三枚目の皿を割ったようであった。


 そんな甲斐甲斐しくもどこか危なっかしいテレーゼに世話をされていたコルネリアだったが、だいぶ動けるようになったため何か自分自身のことはできないかと部屋をうろうろとしてみる。
 しかし、掃除や洗濯などの家事をおこなったことのない彼女にはどうすることもできずに立ち尽くしてしまう。

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