再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。


 ――でも。

「会議お疲れ様です」
「……あぁ」

 昼食の場で顔を合わせたリューは、なぜかすこぶる機嫌が悪かった。
 話しかけても妙に素っ気なくて、目を合わせてもくれない。
 周りの皆もそんなリューに気付いている様子で。

(会議で何かあったのかな……?)

 こんな調子では午後の仕事にも支障が出るのでは。そう危惧した私は先にひとり部屋を出ていってしまった彼を追いかけた。

「リュー、何かあった?」
「……」

 後ろから声をかけてもやっぱりこちらを振り向いてもくれない。

「何か、怒ってます?」
「……会議中」

 ぼそっと口を開いてくれた彼に相槌を打つ。

「うん?」
「コハルが男と話しているのを見た」
「うん……は?」

 思わずそんな間抜けな声が出てしまった。
 と、こちらを振り向いた彼は完全に不貞腐れた顔をしていて。

「楽しそうに、ふたりで一体何を話していたんだ」

 そう訊かれて、私は戸惑う。
< 107 / 388 >

この作品をシェア

pagetop