再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
しばらくしてノックの音が聞こえて、私は浅い眠りから目を覚ました。
寝室に入ってきたリューは珍しくいつもローサ達が運んでいるワゴンを手にしていて。
「食べるものと、身体を拭くものを持ってきたぞ」
「えっ」
驚いてゆっくりと起き上がる。
「流石に腹が減ったからな。コハルも食べるだろう?」
「でも、ここで?」
寝室で食事なんていいのだろうか。
「私もう全然大丈夫なので、どこか別の部屋で」
先ほどはまたあの塔の螺旋階段を下りるのはきついと思ったけれど、別の部屋に移動するくらいなら全然問題なさそうだ。
それにいつものようにお風呂に入りたいと思ったのだけど。
「ダメだ。今日はもうこの部屋から出るな」
怒ったように言われて私が眉を寄せていると、彼はまたあの不貞腐れたような顔をした。
「コハルのそんな顔を他の誰にも見せたくない」
「!? そ、そんな顔ってどんな顔ですか!?」
そんなに酷い顔をしているだろうかとショックを受けていると彼はぼそっと続けた。
「俺に抱かれたのだとバレバレの顔をしている」
「!?」
かぁっとまた顔が熱くなる。
そんなことを言われたらもう観念するしかなくて。