再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「わかりました……」
「よし、では食事にしよう。あぁ、コハルはまず水だな」
そうして彼はなんだか嬉しそうに水差しからグラスに水を注いで私に渡してくれた。
その後も料理を口に運んでくれたりと甲斐甲斐しく世話を焼いてくれて、気恥ずかしかったけれど今日だけは甘えてしまおうと思った。
――でも、流石に身体を拭いてもらうのは無理で。
「向こう向いててくださいね」
「今更だが?」
「いいからこっち向かないでください!」
一線を越えたからと言って恥ずかしいものは恥ずかしい。
彼が面白くなさそうな顔で背を向けたのを確認して、ささっと濡れタオルで身体を拭き彼が持ってきてくれたネグリジェに素早く着替える。
と、そのときだ。
「コハル」
「え?」
振り向こうとして後ろからやんわりと抱きしめられた。
「愛している」
「!」
耳元で囁かれたその言葉に胸がきゅうと切なくなる。
――“愛している”と、“愛おしい”は、同じ意味だろうか。
だとしたら……。
「私もです。リュー」
肩に回された腕に両手を添えて言うと彼が幸せそうな顔をして、私の心もまたいっぱいに満たされた気がした。