再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
第31話
「300歳!? エルが!?」
「ああ、確かそのくらいだと聞いている」
寝る前にリューからエルの実年齢を聞いて、私は大きな衝撃を受けていた。
(あのエルが、300歳……)
見た目は今の私とそう変わらなそうなのに。
リューが寝返りを打ち仰向けになって続ける。
「奴ら妖精は千年生きるとも言われているからな」
「千年!?」
またしても素っ頓狂な声が出てしまった。
(あー……でも、それだけ長く生きているなら、あの雰囲気も納得かも……)
笑顔でひらひらと手を振るエルを頭に浮かべながらそう思った。
あの全部見透かしたような、どこか達観したようなところも300歳だというなら頷ける。
「そっか……だからリューのことも『竜帝くん』なんて呼び方してたんですね」
ふと思い出して言うと、リューの天井を見つめる目が剣呑なものになった。
「奴は父上のことも『竜帝くん』呼ばわりだった」
「え」
「妖精王だがなんだか知らんが、なんて失礼な奴だと幼心に思ったものだ」