再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
朝食の最中も先ほどの噂を思い出し皆の目が気になったけれど、リューやセレストさんのいつもと変わらない様子を見て私も平静を装うことにした。
そして、それは食後のティータイムでのこと。
「ティーアから手紙?」
「はい、コハル様宛に」
セレストさんが私に封筒を手渡してくれた。
「ありがとうございます」
この世界の友人からの初めての手紙だ。
なんだかものすごく嬉しくて、可愛らしい花の絵が描かれたその封筒を裏返したりして見つめていると。
「そういえば、コハルは文字が読めないのではなかったか?」
「あ……」
リューに言われて思い出す。
確かに、封筒に書かれているおそらくは宛名も全く読めない。
「代わりに読んでやろうか?」
「あ、いえ……」
――そうだ。
丁度いい機会だと私は彼に今朝話していた“お願い”をすることにした。
姿勢を正して彼の方に身体を向ける。
「リュー、私この世界の文字を習いたいです」