再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
それに、今の私ではリューの仕事をサポートすることも出来ないのだと気付いた。
「それはそうだが……」
「良いではないですか」
そう言ってくれたのはセレストさんだった。
「いつかは覚えていただかなくてはならないのです」
彼の視線がこちらに移って少しの緊張を覚える。
「コハル様が正式に竜帝妃となられてからと考えておりましたが、早いに越したことはございません」
やはりセレストさんも同じように考えてくれていたのだ。
そして彼は中指で眼鏡の位置を直し、続けた。
「この私が責任をもって、コハル様に文字と、この『竜の帝国』について教えて差し上げましょう」
「えっ」
思わず小さく声が漏れてしまい、彼の目がすっと細められた。
「私では不服でしょうか?」
「い、いえ、まさか! 是非、よろしくお願いします!」
私は勢いよく頭を下げた。