再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

「現在この5つの国では平和が保たれておりますが、一昔前は国同士の争いが絶えませんでした」
「え!?」

 思わず大きな声が出てしまっていた。

「魔王がこの世界に現れ魔物が蔓延ったことで、国同士協力せざるを得なくなったのです」

 私は目を見開く。

「じゃ、じゃあ、」

 嫌な予感がして、でも口に出来ずにいるとセレストさんが頷いた。

「はい。魔王が封印され平和になった今、再び各地で小さな小競り合いが起き始めています」
「そんな……」

 そういえば、つい昨日セレストさんから“妖精の国と戦になるところでした”と言われて、そんな大袈裟なと思ったけれど。

(全然、大袈裟なんかじゃなかったんだ……)

 机の下でぐっと強く拳を握る。

「幸い、この竜の帝国内ではまだそのようなことは起きていませんが、今後もないとは限りません。無論、争いに発展する前になんとかするのも王の務めです。そして争いに発展しないよう国力をつけることも必要となってきます」
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