再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
と、メリーが興奮したようにジャンプした。
「魔法のお手紙なのです!」
「魔法の……?」
するとティーアの声が再び手元の手紙から聞こえてきた。
『 コハルはこの世界の文字が読めなかったと思うので、声も一緒に送ります 』
そうだ。ティーアは私が文字を読めないことを知っている。
ティーアの治める『花の国』は魔法の技術が世界で一番発達した国。そう聞いてはいたけれど、こんなことも出来るなんて驚きだ。
(でも私を異世界から召喚出来るくらいだから、このくらい簡単なのかも?)
ティーアの鈴を転がすような声は続く。
『 コハル、竜の国で元気にしているかしら。突然のことだったからコハルがそちらの国で戸惑ってはいないかと、とても心配しています 』
「ティーア……」
その声音からも心配してくれているのが伝わってきて、なんだか少し涙が出そうになってしまった。
でもこれはあくまで手紙。会話が出来るわけではないのだろう。
『 本当は私が会いに行けたら良いのだけど、少しでも早くコハルに伝えたいことがあって、こうして手紙を書くことにしました。……これを今、コハルだけが聞いていればいいのだけど 』