再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「コハル」
寝室に入ると、リューはすでにベッドに横になっていた。
起き上がった彼に笑顔で迎えられて、そんな彼の元へと向かう。
優しく抱き寄せられて、その温もりに少しだけ不安が和らいだ気がした。
「コハル、やはり何かあったろう」
「え、」
「なんだか、泣きそうな顔をしている」
優しい金の瞳に見つめられて、どきりとする。
「心配事があったらなんでも言って欲しい。出来る限りのことはするぞ」
そんな優しい言葉にまた胸が痛んだ。でも。
――向こうの世界に帰れなくなったと言ったら、リューはどんな反応をするのだろう。
(それを知るのが、怖い……)
精一杯の笑顔を作って口を開く。
「実はセレストさんの授業で昔は国同士の争いが絶えなかったと聞いて、ちょっとショックで」
「ああ、それでか」
リューは納得してくれたようだった。
「それに魔王が封印されて、今再び争いが起きはじめていると……」
「あいつ、もうそんなことまで話したのか」
呆れたように息を吐いて、リューはまっすぐに私を見つめた。