再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

第40話


 おそらく寝室へと向かっているリューを見上げ私は言う。

「リュー、恥ずかしいからもう下ろしてください!」
「体調が悪いと、なぜ言わなかった」

 その声からはやはり怒気が感じられて言葉に詰まる。
 と、彼は近くにいたメイドさんに声を掛けた。
 
「身体を冷やすものを寝室へ。それとセレストに医師を呼ぶよう伝えてくれ」
「は、はい! すぐに!」

 そのメイドさんが急いで駆けて行くのを見て慌てる。

「お医者さんを呼ぶほどじゃ」
「いつからだ」

 遮るように更に訊かれて、正直に答えていく。

「……起きた時にちょっとおかしくて、でもメリーに癒しの魔法をかけてもらって治ったと思ったんですが」

 するとリューは眉間の皴を更に深くして黙ってしまった。

 ……これは、ひょっとしてかなり怒っているのかもしれない。
 自分から参加したいと言っておいて、こんな醜態を晒して、大事な会議を中断させてしまった。
 情けないったらない……。
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