再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
それから無言のまま寝室に着くと彼は私を優しくベッドに下ろしてくれた。
「ありがとうございます。……あの、早く会議に戻ってください」
でもリューは私の手を両手で祈るように握るとそのまま顔を伏せしゃがみ込んでしまった。
「リュー?」
「気付けなくて、すまなかった」
「え?」
「朝、俺が気付いていれば……」
怒っていたのかと思ったけれど。
(もしかして、すごく心配させちゃった……?)
「い、いえ、ほんと全然大したことないですし、少し横になっていればすぐに治ります。なので早く会議に」
「会議なんてどうでもいい」
呻くように言われてびっくりする。
「よくないですよ! 皆リューを待ってますから!」
「そうですよ、陛下」
急に入ってきた至極冷静な声。
リューが険しい目つきでその主に視線を移す。
「セレスト、医師は」
「陛下を会議室へお送りした後すぐに手配いたします」
セレストさんの後ろにはローサがワゴンを手に待機しているのが見えた。