再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「リュー。行ってください」
「……」
再度言うと、リューは一度重い溜息を吐いてから手を離し立ち上がった。
「会議が終わったらすぐに戻る。ちゃんと寝ていろ。欲しいものがあったらすぐに誰かに伝えるんだぞ。あぁそれと念のためもう一度あの妖精に癒しの魔法を」
「わ、わかりましたから!」
少し強めに言うとリューはやっと渋々という顔で寝室を出て行った。
それを見送って一息つく。
(もう、ふたりも見てるのに……)
「頼みましたよ」
「かしこまりました」
セレストさんがリューを追い、ローサがワゴンを押して寝室へ入ってきた。
「大丈夫でございますか? コハル様」
「ありがとう。少し熱っぽいだけで、大したことはないんだけどね」
苦笑しながら答えると、ローサは私に一杯の水をくれた。
お礼を言ってそれを飲んでいると彼女が小さく笑った気がした。