再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「ローサ?」
「あ、いえ……コハル様は本当に陛下に愛されていらっしゃるのだなと。あんな陛下初めて見ました」
微笑ましげに言われて、恥ずかしさでまた顔の熱が上がった気がした。
それを誤魔化すために慌てて残りの水を飲み干す。
「でも、ちょっと過保護っていうか、心配しすぎじゃない?」
「陛下にとって、コハル様の存在がそれだけ大きいということですわ」
何も返せず再び横になると、ローサは私の額に水で絞った布をのせてくれた。
ひんやりとして気持ちがいい。
「コハル様がこの城に来られてからというもの、陛下の印象は大きく変わりました」
「え?」
「それまでの陛下は、常に厳しいお顔をしていらして、とても私どもが近寄れるような雰囲気ではありませんでしたから」
ローサと初めてお喋りした日、それを聞いて焦ったことを思い出す。
「ですから、先日陛下の笑顔を見た時には本当に驚きました」
「あぁ、あのときの……」
するとローサはまたふふと笑った。
「アマリーがそのことを皆に話したようで、いつまた陛下の笑顔が見られるだろうと実は皆楽しみにしているんですよ」
「そうなの?」
そんなことになっているとは思わず私もつい笑ってしまった。