再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
そしてまだ呆然としている私の前に進み出てにっこりと微笑んだ金髪の女性を見上げ、私は目を見開いた。
「ティーア……?」
「お久しぶりです。コハル」
「え……これ、ほんとに夢じゃない?」
「ふふ、夢じゃないですよ。またお会いできて嬉しいです」
その優しい笑顔を見て、じわりと涙が浮かんだ。
「ティーア! 久しぶり、元気だった!?」
勢いよく立ち上がった私は彼女に駆け寄りその華奢な手を取った。
――彼女、ティーアはこの王国を束ねる王女様だ。
偶然同じ年だったこともあり、私たちは7年前に友達になったのだ。
当時「可憐」という言葉がぴったりだった彼女は美しい大人の女性に成長していて、でもその柔和な雰囲気は全く変わっていなくてすぐにわかった。
ティーアも嬉しそうに顔をほころばせる。
「はい、おかげ様で元気です。コハルは、少しお疲れ……?」
言われて私は苦笑する。
「あはは……実は今さっき仕事から帰ってきて寝るところだったんだ」
「そうだったの、そんなときにごめんなさい」
「ううん。ティーアにまた会えて嬉しいし! ――え? でもなんで? また何かあったの?」
前回は魔王の復活だったけれど。
するとティーアの笑顔がなんだか困ったような笑みに変わった。
「詳しいことは城に戻って話すわね」
「う、うん……?」
そうして私たちは召喚の間を後にした。