再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「俺に届いた手紙にはそんなこと一言も書いてなかったが……そうか、それで……。だが、聖殿をまた修復すればいいのではないか?」
「修復しても、もう一度私の居た世界と繋がるかどうかわからないそうです」
「そういう、ものなのか……」
リューは難しい顔をして、そして訊ねた。
「それで、なぜそのことを俺に黙っていたんだ?」
「それは……すみません。私、リューを疑ってしまいました」
正直に告白する。
「俺を?」
「リューだけじゃなくて、私、この世界で出会った人たち皆を疑ってしまって……」
言いながら、また涙があふれてくる。
「聖女の力が欲しい誰かが、私を向こうの世界に帰したくなくてそんな酷いことをしたんじゃないかって、そんなことを考えてしまって……ごめんなさい、私最低なんです」
涙が止まらなくなってしまって顔を覆う。
泣いたって許されるわけじゃないのに。自己嫌悪で消えてしまいたかった。
リューだって自分が疑われたと知って嫌な気持ちになったに違いない。怒っているかもしれない。いや、怒って当然だ。
怖くて、顔が上げられなかった。
なのに――。