再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
リューは真剣な目をして続ける。
「気持ちはわかる。だがコハルが狙われているかもしれないんだ。今花の王国に行くことは許さない」
口を噤むと、リューはふっと表情を緩めた。
「心配するな、花の王国のことは俺の方でちゃんと調べる。……念のため、こちらの警備も強めたほうがいいかもしれないな」
「え……?」
その目が優しく細められる。
「コハルのことは俺が守る。他の誰にも渡すつもりはない。だから、安心してもう眠れ」
そうして前髪をかき上げるようにして頭を撫でられる。
気になることはたくさんあるけれど、少しひんやりとした大きな手は心地良くて、私は大人しく目を瞑った。
……小さな頃から熱を出しても大抵いつもひとりだった。
家族がいたらこんな感じなのだろうかと、そんなことを考えているうちにまた眠気がやってくる。
そのとき、ふっとリューが笑った気がした。
「あの時とは逆だな」
――あのとき……?
そう訊ねたかったけれど、もう目を開けることも出来ず私は眠りの中に落ちていった……。