再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
砂漠の国の王子様
第43話
翌朝、私の熱はすっかり下がっていた。
でもリューに大事をとって今日も休んでいろと言われ、隣の自室で文字の勉強をすることも許してもらえず、仕方なく一日中寝室でごろごろと過ごした。
そして、そのあくる日。
「くぅ~~っ」
完全復活した私は庭園で大きく伸びをした。
外の空気が吸いたくなって、朝食前にメリーとアマリーと一緒にちょっとだけ庭園に出たのだ。
早朝の澄んだ空気がとても気持ちいい。
「コハル様が元気になられて本当に良かったです」
「メリーも心配したのです~。いつでも癒しますので遠慮なく仰ってくださいね」
「ありがとうアマリー、メリー」
ふたりにお礼を言う。
「花の王国」のことなどまだ心配事は多いけれど、体調が戻ったせいか気持ちも大分浮上してきていた。
向こうの世界のことはもう考えないことにした。
ここには、こんなふうに私のことを心配してくれる皆がいる。
だからこの世界で自分の出来ることを精一杯しようと、また思えるようになった。