再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「行くって……?」
私が夢心地で訊くと、彼は呆れたような溜息をひとつ吐いて腰を落とした。そして。
「……っ!?」
ぐるんと視界が回ったと思ったら、私は彼に抱き上げられていた。
後輩の友人か誰かの黄色い声が上がる。
「なんだってこんなに呑んだんだ。まったく」
「だって……」
「まぁいい。ワケは後で訊く」
「ていうか! 本当にあなた、佐久良先輩のダンナ……?」
疑わし気な声は後輩のものだった。やはり彼女はなんだか酷く悔しそうな顔をしていて。
私が違うと口を開くよりも早く、彼が答える。
「まぁ、式はこれからだがな。コハルは、俺の大切な女性だ」
「……っ」
「では、妻が世話になったな」
呆然としている皆を置いて、彼は私を抱えその場を後にした。