再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
第45話
(リューが、魔族……?)
私は目を瞬く。
「え、でもリューは竜人族じゃ……」
「竜はその気高さから神と崇める者もいるが、一応魔物だからな。その血を引く俺は一応魔族というわけだ」
彼は軽い調子で言いながら椅子から立ち上がった。
「だから、未だに俺のことを毛嫌いする奴らは多い。妖精や花の王国の奴らは特にな」
――奴が竜人族だからです!
いつかのメリーの声がふいに蘇った。なんでリューを嫌うのかと訊ねたときに返ってきた言葉だ。
そして7年前、助けを求めにきたリュー皇子の言葉をなかなか信じようとはしなかった花の王国の人たち。
あの頃は皇子のあの性格ゆえだと思っていたけれど、ひょっとして彼が竜人族――魔族だからという理由もあったのだろうか。
そんなことを思い出していると、リューがこちらを見てふっと笑った。
「俺が、恐ろしくなったか?」
――!
「……なんでですか」
思わず強い口調で訊き返していた。
椅子から立ち上がって彼の前に進み出る。