再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
第46話
会議が終わったという知らせを受けたのは日が沈みメリーがうとうとし始めた頃だった。
文字の勉強をしながら待っていた私はすぐに自室を出てリューの執務室へと向かう。
と、その途中。
(あっ)
廊下にカネラ王子の姿があった。セレストさんも一緒だ。
向こうも私に気付いたようで足を止め恭しく頭を下げた。
「これは聖女様。……いえ、もう竜帝妃殿下とお呼びした方がよろしいでしょうか」
その丁寧な言葉遣いと微笑みに、どうしても違和感を覚えてしまいながらこちらも笑みを作る。
「どちらでも。今日はこの城に泊まっていかれるんですか?」
「はい。竜帝陛下のお心遣いに甘えさせていただき、明朝発つ予定でおります」
「そうですか」
砂漠の国の状況など訊きたいことはたくさんあったけれど、セレストさんもいるこの場で下手な話は出来ない。