再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
執務室の扉をノックして私ですと声を掛けると、入れとすぐに返事があった。
扉を開けると中ではリューがぐったりとした様子で椅子の背にもたれていて思わず苦笑してしまう。
「お疲れ様です。長かったですね」
「あぁ。会議でこんなに疲れたのは久しぶりだ……」
そんな彼に少し申し訳ないと思いつつも机の前に進み出て訊ねる。
「砂漠の国の件、どうなりました?」
「竜騎士団の一部隊を送ることになった。あくまで先ずは調査という名目だがな」
「竜騎士団?」
ゲームか何かで耳にしたことはある気がするけれど、この世界では初めて聞く言葉に目を瞬いているとリューは身体を起こした。
「あぁ、そうか。コハルは知らなかったな。竜騎士団はこの竜の帝国を守護する者たちのことだ。7年前、魔王に操られていた父上が一度解散させてしまったんだが、それを新たに再結成してな。今はこの国の要所の護りについてくれている」
確かに7年前この国でそれらしい人たちは全く見かけなかった。
もしその人たちが一緒に戦ってくれていたら、きっととても心強かっただろう。……今更言っても仕方ないけれど。