再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。


「ごめんなさい」
「何がだ」
「7年前、簡単に“良いですよ”なんて言って、ごめんなさい」

 彼の腕の中で、私は泣きながら謝っていた。
 一度零れてしまった涙は、決壊したみたいに止まらなかった。

「なぜ謝る」
「だって、私なんて要領は悪いし、会社はあっさりクビになっちゃうし、いつも真面目ちゃんで年上ぶっててウザいし、男慣れはしてないし、こんな私がリュー皇子のお妃なんて無理に決まってます……」
「よくわからないが、男慣れなんてしてなくていい」
「だから、もう私のことなんて放って、誰か他の、もっと皇子に相応しい人と結婚してください」
「お前ほど俺に相応しい女性は他にいないと思うが?」
「そんなこと絶対にないです……っ」

 みっともなくべそべそと泣きながら首を振る。
 今はそんな優しい言葉をかけないで欲しい。うっかり縋ってしまいそうになる。
< 23 / 435 >

この作品をシェア

pagetop