再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
と、彼は短く息を吐いた。
「お前も酒が入るとこんなふうになるんだな」
「だから、こんな酒乱さっさと放って帰ってください」
「こんな可愛い一面を知れて、得をしたという意味なんだが?」
「はぁ?」
ちゅっと、そのとき額にキスが降ってきてびっくりする。
「早く城に戻って、もっとコハルのことを深く知りたい」
「!」
熱を帯びた金の瞳に見つめられ、不覚にもどきりと胸が跳ねた。
「――そ、そういうのやめてください!」
焦り顔を覆って言う。
それでなくも酔っていて赤い顔が、更に熱くなったからだ。
「リュー皇子はそんなんじゃないです」
「そんなん?」
「皇子は、すごく可愛かったんです!」
「可愛いって……」
「それが、なんでこんな俺様イケメンになっちゃったんですか!」
「……褒めているのか?」
「褒めてません! あの頃のリュー皇子はいきなりキスするような子じゃありませんでした!」
「それは……あの頃はまだガキだったからな。したくても出来なかったんだ」
「そういうこと言うのやめてください! 皇子はそんな子じゃないです!」
「いや、俺なんだがな……」