再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「だからあいつも、俺のようになるんじゃないかと考えたらムカムカしてきてな」
「だからそれはないですって」
――多分。
先ほど一瞬流れた妙な空気を思い出して、でも悟られないように苦笑する。
(そんなこと話したら、やっぱりダメだってなるに決まってるし)
でもカネラ王子に限って、リューが心配するようなことになるはずがないのだ。
先ほどの言葉はきっと彼なりの誠意で、深い意味はないのだろう。そうに決まっている。
「だが、絶対に気は抜くな。あの王子もだが、砂漠の国の連中の言葉を全部は信じるな」
「わかりました」
内心そこまで警戒しなくてもいいのにと思いながら頷く。
と、やんわりと手を取られた。
「必ず戻ってこい」
睨むような強い視線を向けられて、私はその手を握り返して笑顔で答える。
「はい。必ず戻ってきます。……ここが、私の帰る場所ですから」
瞬間その顔が泣きそうに歪んで、ぐいと引き寄せられる。
「抱いてもいいか?」
「!」
熱を帯びた金の瞳に見上げられて、一気に顔が熱くなる。
でも、断る理由はなかった。それに――。
「私も、リューに触れたいです」
そうして私は彼の首に腕を回した。