再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

第49話


 初めてではないのだから、身体的にも気持ち的にも少しは余裕があるだろうと思った。
 でも全然、そんなことはなくて。

(やっぱり、めちゃくちゃ恥ずかしい……!)

 前回は月明かりだけだった。今回は部屋の灯りもあって、より相手のことがはっきりと見える。
 改めて間近で見るリューは本当に綺麗に整った顔をしていて、身体は無駄なく引き締まっていて、そんな完璧な人の前で自分の全てをさらけ出しているのだ。恥ずかしくないわけがない。

「――っ、リュー、それ嫌です」

 じゅっと音を立てて首筋にキスを落とされて、慌てて手でガードする。
 すると彼は不満そうに眉をしかめた。

「その、痕が付いて恥ずかしいので……」

 先日付けられた痕、キスマークは結局消えるまでに数日かかった。
 その間ずっとローサが気を利かせて首元を隠すドレスを選んでくれていたのだ。
 それを知ったときの恥ずかしさと言ったら……。
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