再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「!」
私は彼の首に手を回して、その首筋に強く吸いついた。
「――っ、コハル?」
「お返しです」
リューの首筋に小さく付いた赤い“証”に満足して、私は彼を睨め上げる。
「離れて寂しいのはリューだけじゃないです」
私だって不安がないわけじゃない。本音を言えば、リューに一緒に来て欲しい。
でもリューはこの国のトップで、万が一にも何かあってはならない存在で。
だから、一緒に来て欲しいなんて言えない。……言ってはいけないのだとわかっている。
――と、
はぁ〜、と呆れたような長い溜息が降ってきて、そこで私はハっとする。
そうだ。リューはこの国のトップで、人前に立つことが多い。
そんな彼にこんな分かりやすいキスマークを付けてしまった。
おそらく位置的に立て襟に隠れるだろうけれど、やはり軽率だったかもしれない。
「リュー、あの」
「コハル……」
「は、はい」