再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
……でも、嫌ではなかった。
身体は疲れ果てているけれど、心は確かに満たされている。
彼から求められて嬉しく思っている。
そんな自分に気付いてしまって、それがまた無性に恥ずかしかった。
「しばらくコハルに触れられないと思ったら歯止めがきかなくなってしまった。すまない」
二度目の謝罪。
さすがに反省している様子のリューをちらり見上げて。
「機嫌、治りました?」
「え?」
目を瞬いているリューに、私は力なく微笑む。
「私、聖女としてだけじゃなくて竜帝妃としても頑張ってくるので、明日は笑顔で見送って欲しいです」
「!」
リューが瞳を大きくして、それからまたぎゅうと強く抱きしめられる。
「努力する」
その曖昧な答えに思わずふふっと笑ってしまう。
「お願いします」
でももう目を開けているのも限界で、私は彼の温もりの中襲い来る睡魔に身を任せることにした。
「……俺は、コハルを……」
眠りに落ちる直前、リューが何か言っていたような気がするけれど聞くことは叶わなかった……。