再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「コハル様、お待ちしておりました」
「え?」
城を出てすぐのところで片膝をつき頭を垂れている人物がいた。
その声にはすごく聞き覚えがあって。
「この者にコハルの護衛を任せた」
「護衛? って、えっ!?」
リューの言葉を受けてゆっくりと顔を上げた“彼女”を見て、私はあんぐりと口を開ける。
「ローサ!?」
その格好はこれまでの所謂メイドさん風の格好ではなく、私と同じ動きやすそうなパンツスタイルで。
だから瞬間彼女だとはわからなかったのだ。
しかもその腰には細身の長剣を携え、それがとても良く似合っていて。
「ローサが、護衛?」
「はい。この度、わたくしコハル様の護衛兼侍女を仰せつかりました」
「えっと……ローサって、もしかして強いの?」
私のそんな間抜けな質問にも、ローサはきりっとした表情を崩さずに答えてくれた。
「わたくし、竜帝陛下より竜騎士の称号を戴いております」
「竜騎士!? ローサが!?」
思わず素っ頓狂な声が出てしまった。