再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
すると、彼は困ったように眉を下げた。
「この7年間、これでもお前に相応しい男になれるようずっと努力してきたんだが……こんな俺ではダメか?」
「ぅぐ……っ」
まただ。
ズキューンとか、また胸が妙な音を立てた。
「だ、ダメとかじゃなくて……その、慣れるまで待って欲しいというか」
「俺はこの日を7年待っていたんだが」
「ぐっ……そ、それは……本当に申し訳ないというか、なんというか……」
「まぁ、とりあえずは着いたようだぞ」
「……へ?」
涙で霞んだ視界に映ったのは、あの薄暗い石造りの部屋だった。
ティーアと怪しいローブを纏った人たちが目を丸くして魔法陣の上に立つ私たちを見ていて、恥ずかしさと混乱で一気に限界を迎えた私はそこで意識を手放したのだった……。