再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
私の隣にふわふわと浮いているメリーもやはり驚いているようで。
竜騎士という名は昨日聞いたばかりだけれど、まさかこんなに近くにいるなんて思わなかった。
「この者はこの国初となる女性の竜騎士だ。――コハルのこと、よろしく頼むぞ」
「はい、竜騎士の名に懸けてコハル様をお守りいたします」
そんなリューとローサとのやりとりをポカンと見つめていると、すくと彼女は立ち上がり、私にいつもの優しそうな笑顔を向けた。
「それでは参りましょう、コハル様。門のところでカネラ殿下がお待ちです」
「あ、はい」
まだ信じられない気持ちで呆然と足を踏み出したそのとき、ぱしっと手を取られた。
「コハル。気を付けて」
リューが私の手を強く握り言った。
私は背筋を伸ばし、そんな彼をまっすぐに見つめる。
「はい。行ってきます。リュー」
するとリューは優しく微笑んで、私からゆっくりと手を離した。