再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
竜の国
第6話
「俺が竜帝になったら、お前を妃に迎えてやってもいいんだからな!」
別れ際、必死な顔でそう言ってくれた彼にびっくりして、でも嬉しくて。
「あはは~。それまでリュー皇子が私のことを覚えていたら良いですよ~」
そう笑いながら答えると、彼はその金の瞳を大きくし更に顔を紅潮させた。
「本当か!?」
「はい」
「約束だからな!」
「はい。だからリュー皇子、お父さんみたいな立派な竜帝陛下になってくださいね」
私がそう言うと、彼は任せろというふうに胸を張って見せたのだ。
その姿が本当に可愛くて可愛くて……。
「コハル」
――え?
いつの間にか、竜を思わせる金の瞳がすぐ傍にあった。
可愛かった少年は、色気ダダ漏れの男の人に変わっていて。
「もっと、コハルのことを深く知りたい」
「~~~~っ!?」
自分でもよくわからない悲鳴を上げながら私は飛び起きた。
はぁはぁと肩を上下させながら、起き掛けで混乱した頭を必死に巡らせていく。
(ゆ、夢……? え、どこまでが夢……?)
あの異世界にもう一度召喚されて、成長したリュー皇子にいきなり求婚されて、会社をクビになって、合コンで悪酔いして、なぜかリュー皇子がこちらの世界に現れて……。
そこまで記憶を辿って、でもそこで今寝ているベッドが自分のものでないことに気付いた。