再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

 でもそこまでしてここに来たということは、きっと何か理由があるのだろう。

(何か伝え忘れたことがあったとか?)

 心の中で溜息を吐いて私はとりあえずその話に乗ることにした。

「覚えています。それで、一体どうされたんですか、“皇子”」

 するとリューは嬉しそうに目を輝かせた。

(うぐ……っ!)

 中身はあのしっかり大人に成長したリューなのだ。
 可愛いとか思ったら負けだと思いつつも可愛いと思ってしまった。

「――た、大変失礼いたしました!」
 
 と、ローサが慌てたように彼の元に跪いた。

「わたくし、コハル様の護衛をしております、竜騎士のローサと申します。非礼をお許しください」
「いや、驚くのも無理はない。諸々の事情で俺の存在はあまり(おおやけ)にはしていないのでな」
「そ、そうでございましたか」

 完全に信じている様子のローサになんだか罪悪感を覚えて、私は話を変えるために彼に訊ねる。
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