再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「もしかして、昨日からそのつもりだったんですか?」
「昨夜コハルが言っただろう。俺と離れるのは寂しいと」
「!? 私そんなこと……!」
言ってません、と言いかけてハっとする。
――離れて寂しいのはリューだけじゃないです。
(言った……)
自分の発言を思い出して、またこれかと私は頭を抱えたくなった。
「そのときに、ついて行こうと決めた」
「そうですか……」
「それに、もし万一コハルに何があったら、俺は城に残った自分を許せそうにない」
その真剣な声音を聞いて、結局私はそれ以上何も言えなくなってしまった。
もう一度小さく息をついて、ずっと抱っこしたままだったメリーを壁際に設置されたソファの端っこに寝かせる。
(明日、メリーが起きたらまた大変なことになりそうだなぁ)
メリーは7年前のリューを知っている。
だからきっと弟なんていう嘘はすぐに見破られてしまうだろう。
――と、そのときだ。
「うわっ」
船がぐらりと大きく揺れて私は慌ててメリーの隣に座り込んだ。