再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
ふたりが睨み合っているそのとき、コンコンと扉がノックされた。
私はふたりに目配せをして、はいと返事をした。
すると入ってきたのは優しい笑みを浮かべたローサだった。
「コハル様、リュークラウス殿下、メリー様、おはようございます」
「おはよう、ローサ」
「コハル様、お加減はいかがですか?」
「あ、今メリーに魔法を掛けてもらったらすごく楽になったの」
「それは何よりです」
それを聞いたメリーが得意げに胸を張る。
――と、そのときふと気付いた。
「あれ? そういえばローサはどこで寝たの?」
「わたくしは見張りをしておりましたので」
「え!? じゃあ全く寝てないってこと!?」
驚いて声を上げる。
私たちが寝ている間、ずっと扉の向こうで見張りをしていてくれたということだろうか。
「護衛なら当然だ」
背後からそんな軽い言葉が聞こえて思わずムカっとして振り向く。
「当然って、」
「その通りですコハル様。わたくしは訓練を受けておりますので全く問題ございません」
平然と笑うローサを見て、私はぎゅっと手を握る。