再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「あ、えっと……それで、彼は今どこに?」
「別の部屋で待機してもらっているわ。この部屋でコハルが起きるのを待っていると言っていたけれど、コハルから話を聞くまではと思って」
「それで! 一体なにがあったのですか!? 話によってはメリーがあいつをぶっ倒してやります!」
ふたりにじっと見つめられ、彼の名誉のためにも私は自分の恥を晒すことにした。
「――だからね、彼は何も悪くないの。むしろ彼が来てくれて助かったというか……結局は全部自分が悪いの」
「大変だったのね、コハル……理不尽過ぎるわ」
「コハルさまは何も悪くないです~~メリーは今すぐコハルさまの世界に飛んで、そのカチョーとかいうクズをぐっちゃぐちゃに捻りつぶしてやりたいです~~」
そんな私の話を、ふたりは呆れるどころか涙ながらに聞いてくれて(メリーの発言はちょっと怖いけれど)私までまた涙が出そうになってしまった。
それだけで、これまでの頑張りが報われた気がした。
「ありがとう、ふたりとも」
「――で、俺への疑いは無事晴れたようだな」
「!?」
ノックもせずに部屋に入ってきたのは、リュー皇子、いや、リュークレウス竜帝陛下だった。
彼に見せてしまった自分の醜態を思い出して一気に顔に熱が集まる。
「お前えぇ~! レディーの寝室にズカズカと入ってくんな~~!」
憤慨したように私の腕から飛び立ったメリーが彼に突撃していく。
が、彼はなんなくそれを避けこちらにやってくる。
「気分はどうだ、コハル」
私は慌ててベッドを下り、頭を下げた。