再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
宴の準備が出来るまでの間、お風呂に入らせてもらえることになった。
ここのお風呂は大浴場になっていてとにかく広くて気持ちがいい。
7年前、砂漠の真ん中なのにこんなにも水が豊富なことに驚いたものだ。しかも天然の温泉なのだという。
「ん~~っ」
思いっきり脚と腕を伸ばしてふぅ~と長いため息を吐いた後で後ろを振り返る。
「ローサは入らないの?」
「わたくしのことはお気になさらないでください」
入口の扉の前でメリーを抱っこして見張りをしてくれているローサがにこりと微笑んだ。
「でも、ローサだってさっぱりしたいでしょ?」
「私はコハル様の護衛としてこちらにおりますので」
……それはわかっているけれど、私だけ綺麗さっぱりというのはやっぱり申し訳ないし落ち着かない。
それにずっと私の傍にいて、ローサはいつ身体を洗うつもりなのだろう。
ちなみにリューはその扉のすぐ向こうの部屋で私たちを待っている。
「……」
「コハル様?」
私がザバっと立ち上がるとローサが目を瞬いた。