再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

(今リューの前でそういう話は勘弁して欲しい……)

 それでなくとも妙な疑いをかけられているというのに。
 ちらりと向かいに座っているリューに視線を向ければ、案の定その目が完全に据わっていてひぇっと声が出そうになった。
 ……話を変えよう、というより本題に入ろうと私は顔を引き締めて王様を見つめた。

「王様、この砂漠の国が今何者からか攻撃を受けていると聞きました」

 すると王様は驚いたように目を見張り、それから重く頷いた。

「そうなのじゃ。全く困ったものよ」

 そうしてグラスに残っていた赤い飲み物を一気に煽った。
 私は真剣な口調で続ける。

「その件で私の力がお役に立てればと参りました。現状を詳しく教えていただけないでしょうか」
「そうじゃな……。明日、明日詳しく話そう」
「え?」

 王様は笑っていた。
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