再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「コハルさま~~!」
色とりどりの花々が咲き乱れる美しいお城の庭園をティーアについて歩いているときだった。
そんな可愛らしい声とともに白いもこもことしたものがこちらに向かって飛んでくるのが見えて、私は両手を広げる。
「メリー!」
「コハルさま~お会いしたかったのですぅ~~!」
翼の生えた羊のような姿をした妖精メリーがぼふっと私の胸に飛び込んできた。
久しぶりのふわふわもこもこの感触に、脳内に大量のアルファ波があふれ出るのを感じる。
「あ~相変わらず癒される~~」
「あはあは! コハルさまくすぐったいのです~」
メリーは7年前に魔物に襲われそうになっていたところを助けたのがきっかけで私に懐いてくれて、私が元の世界に帰るときに一番悲しんでくれたのがこの子だ。
ちなみに当時名前の無かったこの子に「メリー」と名付けたのも私。
「ふふ、メリーはずっとコハルに会いたがっていたのですよ」
ティーアが笑う。
と、メリーが円らな瞳で私をじっと見つめた。
「コハルさま、お疲れですか?」
「え?」
「今メリーが癒してさしあげます~」
「!」
メリーは私の腕からスポンと抜け出ると、私の身体の周りを踊るようにくるくると回った。
すると私の身体はキラキラとした輝きに包まれ、先ほどまでの疲労感がふっと楽になった。
――そうだった。メリーはそのままでも癒しの存在だけれど、更に癒しの魔法が使えるのだった。
「ありがとう、メリー。すっごく楽になった」
「早速コハルさまのお役に立ててメリーは幸せなのです~!」
なんていじらしい子だろう……!
私はもう一度その癒しのふわふわボディーをぎゅーっと抱きしめた。